しばらくぶりに草木染めのモダンキルトのポットマットを作りました。スクエア型とクロス型の2種類をオンラインショップに追加しましたので、ぜひご覧ください。
以前ご購入してくださったお客様が、買って良かった、色が褪せてもアンティークな雰囲気になるところも気に入っているとご感想をお寄せいただきました。草木染めで生活雑貨を作るとき、色褪せが一番気になるところ。それをなるべく回避するために、洗濯回数が少ないものや、外に出して持ち歩かないようなものなど、私の中でモノ作りの基準を持っています。
今回作った鍋敷きの写真撮影の日、どれも佇まいがかわいいなぁと素直に思いました。トップページに使った写真のデザインと色合いが特に好きです。ポイントで細い線を入れるのが好きです。
クロス型は、今回はじめて作った形です。大きめで、安定感があり、形もかわいく、玄関などに飾ってもいい感じがします。
草木染めのモダンキルトは、色が決め手だなと思っています。ポットマットで使用した色を揃えるのに、数ヶ月かかります。ある程度の色数を揃えておかないと、素敵な色合わせができません。そのため、淡い色から濃い色まで、まんべんなく染めてストックしておきます。ですので、実際は使っていない色の方が多かったりします。せっかく染めても全く出番のない色もあります。そんな時は、もう一度別の色に染め直すこともあります。何度も染め直せるのが草木染めのいいところ。今回使用した生地は、キルト制作で使っている生地よりも厚手なので、いつも以上に体力が要りました。ストールを染める時より、少し染め時間を長くしています。生地が厚くなればなるほど、染めムラもどーんと出ますので、いつも以上に集中して染めました。
その色の一部を畑で栽培するところからやっていますとお伝えすると、驚かれることが多々あります。例えば、藍は、3月に種を蒔き、初夏は草取りに追われ、お盆の頃に葉っぱを収穫して、乾燥葉を作り、11月頃に種取りします。栽培期間は約9ヶ月ということになります。ちょっと気が遠くなりますね(笑)。そうしてやっと藍色を手に入れることができます。毎年栽培がうまくいくわけではなく、雨が少ないと生育が良くなかったり、自分ではどうすることもできない中で、収穫できた藍は本当に奇跡です。それを大事に大事に布に写し取るわけです。けれど、私にとっての藍色は、グリーンに染めたり、渋いブルーに染めたりする、ひとつ前の色という位置づけになっています。贅沢ですよね。あの美しい藍色をそのまま使うことは、実はとっても少なかったりします。
畑をやり始めてから、紫外線をたくさん浴びていて、この先シワダラケのおばあさんになってしまうんだろうなと焦っているのですが、つい最近、シワダラケになっても良いかも!と突然思い直しました。年老いても働く女性であり続けたいので、そのシワこそ働く女性の証ではないか!と。(笑)
話が逸れました。ポットマットの話に戻します。デザイン作業の時は、ポットマットの大きさに合わせて、1枚ずつパッチワークして作る場合と、50x50cmくらいの大きさでパッチワークしてから、いいなと思った形をトリミングして作る場合があります。どちらかというと、後者のやり方のほうが、思いがけないカタチに出会えるので楽しいですが、結構布を無駄にしてしまいます。今回は、後者の方法で作ったポットマットが多いです。
中綿も、スツールクッション(椅子敷)を試作していた時、いろいろなクッション材を仕入れて、これだ!と思ったものを、鍋敷きにも使ってみました。座ってもへたりにくいクッション材で、フラットで厚みがあります。ポリエステルやウールなどの混紡繊維でできています。しっかりした中綿が入っていると、見た目がかちっとした印象になり、上品な佇まいになります。下の写真は、まだ商品化していないスツールクッションです。椅子やソファーに敷いて使います。我が家には、使用中のスツールクッションがいくつかあり、室内で使っていても、徐々に色褪せしてくるのですが、それもまたいい味わいに変化していきます。自然の色って奥深いなと感じています。
畑で染料を栽培して、自ら染めた布を使い、いろいろなものを作ることは、手間も時間も掛かります。何でも気軽に買える世の中で、永遠に時間との戦いのようにも思える「手しごと」を、この先もずっとやり続けたいと思いつつ、毎回作品作りにはてんやわんやしております。
今回の鍋敷きも、すべて1点ものとなります。結婚のお祝いや新築のお祝いなど、ギフトとしてお選びいただくのも良いと思います。
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